ここんとこ頻繁に「負け犬(女性)」というのがテレビで取りあげられている。いやまあ、日曜と今日のラ・テ欄で見ただけなんだけど。それもあるけど、やっぱり何かしら目にする機会がここんとこ多い。ちなみに「負け犬」というのは「30代以上・未婚・子供無し」の女性の事だと。確か「負け犬の遠吠え」とか言う本が流行って、それを受けての事らしいが。

その本を読んでもないのにこんな事言うのもなんだけど、どうもこの本の作者の人は自身もこの定義に当てはまるらしいが「実は自分は負け犬だなんて思ってもないけど、そうやってわざと卑下する事で優越感に浸ってる事をカモフラージュしてる」感じがしてしょうがない。実際、東大の教授でよくテレビに出る(自称・オタクとか)岡田とかいう人もそう言ってたし。実は気ままに生きている事が楽しくてしょうがない、子育てや夫の世話に追われてる女性に対して優越感を持っている、けどそれをおおっぴろげにすると嫌われるし、だから卑下することで正当化してる、みたいな感じ。ジャニーズ系のアイドルとか女性アイドルとかが「実はモテないんですよー」とか言ってるのと同じ様な原理か。全然例えになってないけど。

でも作者の意図とは関係の無い所で、この「負け犬」という言葉だけが一人歩きを始めてる気がする。「負け犬系女性タレント」みたいな番組でのくくられ方もその象徴だ。本の作者は「実はカッコイイ女性の生き方」として紹介してたつもりだろうに(いや知らないけど)、この一人歩きしてる「負け犬」の方は完全に女性として見下されてる事になっている。田嶋陽子とかがその内怒り出すぞ。でも案外、こういう女性タレントを見下す姿に快感を感じているのは意外と「非・負け犬」な女性達(あえて「勝ち犬」とは表現しない)だったりするのかもしれない。子育てや夫の世話に対するストレス(自分の時間が無い、遊ぶ時間が無い等)のはけ口みたいな消費のされ方なのかも。逆に、俗に言う所の「負け犬」な人達にとっては共感というか、仲間意識というか、そういう象徴みたいな感じ。今日家に来てた姉が、帰ろうとして「もっと遊びたい」という姪に対し「ママだって遊びたいし寝たいのに我慢してるんだからあんたも我慢しなさい」とか怒ってたし。ま、若くして結婚したり子供3人も産んだりしたのも自分で選んだ人生だろ、とは思ったりしたけど。

ところで、この負け犬騒動に拍車をかけているのは実は細木数子なんじゃないかと思う。彼女の「女は家に入って男を立てるべき」とかいう一体いつの時代だよと言う保守的な思想の啓蒙。彼女の番組は軒並み高視聴率らしいが、なんかそれがこの「負け犬」現象に拍車をかけているのではないか、と。彼女の番組なんかあまり見ないけど、大概女性タレント(特に20代後半から30代前半くらい)にはこの「結婚して家に入りなさい(=専業主婦になれって事?)」を言ってるし。ほとんど占いと言うより人生相談だけど。前の職場なんか、子育てしながら仕事してる人が多数いたのでなんか反発心感じるんだが。特に母子関係とか、自分の子育ての経験生かしてる人とかも数多くいたろうし。いやよく知らないけど。

ついでに言えば、長井秀和の「女性の話」のネタもなあ。「女は25(歳)を過ぎると〜」というネタが。あるサイトで「長井秀和は30歳以上の女性にとっての綾小路きみまろ」というのを見たけど、成る程なあと感心した。確かにきみまろの「中高年ギャグ」と長井の「女性ギャグ」は似てる。本人達が自虐的にしてる事をネタにしていると言う事からも。

これだけ男女共同参画社会とか男女同権とか言われてるのに、何で今年になってこんな事になってるんだろう。確かに男が仕事で女が家事&育児、とかいう役割分担の方がやりやすい、分かりやすい、効率的なのは分かる。でももうそんな時代じゃないだろうに。思うにこういう分かりやすい「確実な物」を意外とみんな欲しがっているのかも知れない。こんな確実な物など無い世の中だからこそ。今どの業界も「この法則に当てはめれば確実に売れる」とかいうものが無い訳である。テレビで血液型診断の番組がやたら多いのも今年4月の「発掘あるある大事典2・血液型診断SP」がその週の視聴率ランキング1位を獲ったりした事に起因していると思う。確実に視聴率の見込める番組が欲しいんだと思う。可も無く不可も無く、な。とりあえず安全パイをって。もっと挑戦精神が無くてどうする。というか、過去の古い思想のままでいいやってのはあまりに考え無しな感じがするんだけど。なんか右傾化していってないか、日本。小泉といい。なんか大げさなまとめだけど。

(これ、本編で更新すべき内容だったかなあ。テレビネタ中心だし。もう区別が付かなくなってる・・・)