卵はバナナと共に物価の優良児と言われてきたわけである。物価そのものはどんどん高くなっていってるのに、昭和の中期の頃と値段が変わらない事からそう言われている。

そんな卵が最近値上がりしている。って、独り暮らしの時と違ってスーパーに行く事も減ったし、行っても卵を買う事なんて殆どないから実感沸かないけど、ニュースで言っている。去年過剰生産だったから今年は抑制したらこうなったと。これだけ経済学だの統計学だの生物学だの発達してて、まだこんな事起きるんだな。

余談だけど、一人暮らししてた時、近所のスーパーが土・日だけ卵を1パック(10個)3円で売っていた。勿論、千円以上お買い上げのお客様のみで、1グループ1パック限定だったが。そんなんだから、土、日(のどっちか)に結構まとめ買いして千円以上になるようにして、卵を買っていた。今考えれば、卵は単なる客寄せパンダだったんだが。豚肉のこま切れとかも、平日なら安い時は100g58円とかだったのに、土日は78円とかだったし。結局得したのか損したのか(なんて生々しい情報だ)。2週買って1週買わなかったら、大体21日間で20個だからほぼ1日1個ペースだ。コレステロール考えてその位に抑えてた。家庭科でそう教わったからだけど。友達が全く一人もいなかったので毎日自炊してたんでこんな事。

基本的に外食が嫌いな理由が「卵かけご飯より美味しい食べ物などこの世に存在しない。その外食に金をかけるなんて馬鹿げてる」という人間なので、気になるニュースではある(んな大げさな)。でもバナナはともかく、卵の価格がこれだけ物価が変わっていても変化していない、というのはどうにも疑問が残る。勿論、生産の効率化とか企業努力による所も大きいんだろうけど、それにしたって飼料代とか値上がりしてるだろうに卵の価格は変わってないってのはおかしい。何かのニュースで見たけど、スーパーとかが目玉商品にするために、卵の仕入れ値をギリギリ抑えようと値段交渉とかしているらしい。確かに、スーパーのチラシで卵1パック何円、ってのは主婦が最も目にする所の一つだろう。まあ、大学生時代の私もそうだった訳だが。そういう客寄せパンダに利用する為に仕入れ値を抑えようとするスーパーが数多くある為に、卵の生産農家が犠牲になっているという話をそのニュースで見た。

主婦の人たちが、一円でも食費を抑えようと努力するのは分かる。スーパーとかの販売側の企業努力も理解できる。でも、こういった姿勢が続くとどんどん日本から農家が消えていくんじゃないかと思うんだが。なんかもう、農業だけ江戸時代みたいな発想。お上の言いなりって感じ。これが普通の産業なら「嫌なら辞めればいい」で済ませられるが、「食料」という国の根幹に関わる重要な産業をこうもないがしろにして良い物だろうか、と。食べ物は1円でもけちけちして、そのくせ外食や飲み事には何千円も使ったり、100円ショップで普段絶対に使わないと思われるような物を衝動買いしたり、携帯電話に何千円も使ったり。「無くても生きていけるようなどうでもいい物」に金をかけて、食事という生きていく上で必要な行為には(だから話が大げさ)とにかくお金を切り詰めて。なんかおかしな事になってると思う。

いきなり!黄金伝説。」という番組で、1ヶ月1万円生活という企画がある。家賃とか水道光熱費の基本使用料金を除いて、実質の使用料を食費も含めて1ヶ月1万円以内ですごすという企画。それを見てると、元々食事自体かなりの節約料理だが(と言うか、それを紹介するのがこの番組の肝(きも)だろうけど)、それ以前に食材自体がかなり安い。設定上、近くに激安のスーパーやら八百屋やらがある事になっている。そういうのも見るたびに、ねえ。まあ、ひょっとしたら中国産の野菜とかかもしれないけどさ。高いから牛肉買わないって、じゃあ牛肉農家はどうすればいいんだ?それに、みんながみんな売れ残りの安くなった野菜とかばかり買ってたら今度はスーパーの経営が成り立たなくなるし。お金、と言うか経済ってそうやって回ってるんじゃないのか。なんか今更、デフレスパイラルやら産業の空洞化やらの話してる気がするけど。

それと「はなまるマーケット」で見たんだけど、節約料理を紹介する主婦の人が出てたんだが、「食材費なんと合計69円!」とか偉そうな事言っといて、そいつの家の台所はかなりたくさんの雑貨で溢れ返っていた。雑貨に惜しみなく金を注ぎ込み、食費は極力抑える、それが快感、なのか。まあ人の趣味趣向なんて好き好きだけど(昨日も言ったか)、なんだかおかしな事になってるよなあ、と。

鳥インフルエンザが出た時は、卵や鶏肉が怖いだの、もう二度と食べないだの言っといて、今度は鶏卵が高騰すれば文句を言い、あまりにも身勝手すぎる。鶏も、インフルエンザじゃなくてヨンフルエンザにかかれば良いと思う。ダメだこりゃ。